【ドイツ便り】スッピンでも出かけます!メイクよりもスキンケア重視のドイツ人女性
ドイツに住む日本人女性なら一度は感じたことがある違和感。学校や職場のトイレに行ってもお化粧直しをしている人が滅多にいない。アイライナーの線が濁ってしまい、貸してくれる人を探しても首を横に振られる。マスカラやアイシャドウに対しても同じ答え。そもそも化粧ポーチを持ち歩いている人がいない?顔をよく見るとスッピン、もしくはマスカラと口紅だけ塗っている人がほとんど?
(©Flickr, _T604)
はい、ドイツは4人に1人(26%)の女性がスッピンで外出している国です。「メイク無しでは家を出られない」と言う人は6人の内1人(16%)に過ぎません。
(*2017年5月にQVC(テレビショッピングチャンネル)とStatista(ドイツの市場調査会社)が発表した美容調査参考。)
もちろんドイツにも、ファンデーションを塗りすぎている厚化粧のティーンエイジャーはいます。いつも青や紫のアイシャドウを塗っているおしゃれなおばあさんだって見かけます。しかし、肌・眉・目・頬・口つまり顔全体にお化粧をしている人が少ないのは事実です。顔をいじることにに無頓着なナチュラル派も年代関係なく存在します。(眉の形を整えないなど)普段スッピンの友達が結婚式でブライダルメイクをしてもらって「わあ、この子ってこんなに化粧映えするのか!」と驚くこともあるぐらいです(笑)
以前、フランス在住の日本人女性が書いたブログ記事「なぜ?日本にだけ存在する『化粧は身だしなみ・マナー』問題」を読み、独・仏関係なく女性にとってメイクをする・しないは個人の自由であり、社会が求めることではないという点にとても共感したことがあります。
逆に、日本ではそうではないですよね。実際、カネボウが先月公開した「東アジアを中心とした7都市の女性のライフスタイル調査」に興味深いことが書かれています。
「東京の女性はメイクを身だしなみ・エチケットと捉えており、集団の中に溶け込むために温和で可愛いイメージを好み、個性的なスタイルを嫌う傾向がみえます。」(http://www.kanebo-cosmetics.co.jp/company/news_material/pdf/kanebo_oxcofiudho.pdfから引用)
この感覚はドイツ人女性には明らかに欠落しています。メイク=身だしなみ・エチケットならば、スッピンで外出する人はもっと少ないはずですもの。
◆メイクに無関心でも急成長し続けるオーガニック化粧品業界
さて、ドイツ人はいくらファンデーションなどのメイク用品に興味を持たなくても、重宝するのは保温クリームやローションです。美容品の中で一番大事なものが保温クリームだと上記の美容調査が物語っています。
前回、ドイツのオーガニック食品ブームについて書きましたが、化粧品に関しても同じような動向が見られます。ドイツの自然化粧品業界は化粧品市場の8,5%(2016年)を占め、まだ少ないように思われますが、10年前から毎年成長を遂げています。現にデパートの化粧品フロア、ドラッグストアや薬局で自然化粧品が手に入るのは当たり前。ドイツ製メーカーでいうと、一番有名なのがWeleda。その他にDr. Hauschka、Logona、LaveraやPrimaveraなども人気です。(すべて日本でも手に入ります!)
ドイツではオーガニック認定を受けたもののみ、オーガニック化粧品と名乗られることになっています。認証機関は色々あり、パッケージにマークがついていないといません。例えばPrimavera製品にはNatrueの認証マークがあり、加えて動物実験を行っていない事実も書かれています。
オーガニック化粧品とは?主な定義:
・遺伝子組み換え作物ではない
・放射線を受けていない
・保存料・着色料を含まない
・天然由来の原料を使用
・石油由来物質を含まない
・環境に優しい製造方法
私自身、アトピーと乾燥肌に悩まされているため、数年前から基礎化粧品はオーガニックで統一しています。
洗顔にはMelvita(フランス製)のクレンジングジェル。
化粧水はPrimavera(ドイツ製)。
夏は同じくPrimaveraの軽めの保温クリーム。
冬はAvène(フランス製)のクリーム。体に塗るオイルはWeleda(ドイツ製)と無名ブランドのアーモンドオイルを使い分けています。
多々あるメーカーの中からどのように自分に合った化粧品を選ぶのか?幸い、ドイツ大手ドラッグストアMüllerなどには自然化粧品専門の販売員がいます。消費者にとってありがたいサービスなだけでなく、お店側の自然化粧品販売に対する力の込め方も感じられます。
これからもっと伸びる市場になるでしょうね。
プロフィール
町田文
1986年生まれ、東京都出身。ドイツ・ミュンヘン在住。マーケティングの仕事をする傍ら、ドイツのライフスタイルや観光に関するライティング、翻訳を行っている。自身のウェブサイト「ドイツでハンドメイドライフ」ではドイツ語の口語表現や現地情報を発信。