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【パリ便り】アフリカブーム到来!?火付け役となったのはヴィンテージショップLe Marché Noir

May.24.2017

前回のパリ便りでは、チャリティと雇用創出を目的としたショップ『BIS』をご紹介しましたが、パリには他にも社会貢献に力を注ぐヴィンテージショップが数多く存在します。なかでも、マレ地区で2016年5月にオープンした『Le Marché Noir(ル・マルシェ・ノワール)』は今最も勢いのあるお店。

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コンゴ出身のオーナー兼バイヤーのAmah(アマ)さんは、ここパリでアフリカ文化を発信し続ける中心的人物。自身が年に数回アフリカへと渡り、現地で古着の買い付けを行っているそう。店内はアフリカの伝統的な民族衣装や骨董品が飾られ、異国情緒溢れる雰囲気。テーマは“イギリスの植民地だった20世紀初頭のアフリカ”とのことで、随所にアールデコ様式の装飾も見受けられます。

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洋服、靴、バッグ、アクセサリーがメンズ・レディースと種類豊富に陳列されている品々は、清潔で裁縫のほころびもなく良質です。実は、アフリカで買い付けを行っているものの、もともとはフランスをはじめとするヨーロッパ各国から寄付として送られた古着。本来であればアフリカへと運ばれた後、現地の商人が露店で販売をするのが流通ですが、高値が付いて現地人の手にはほとんど届いていないのが現状だそう。そんな事態を打破すべく、Amahさんは現地商人から直接買い付け、パリへと輸入。物と経済の循環を目指し、Le Marché Noirを立ち上げたのだとか。

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12歳までトーゴ共和国で過ごし、その後フランスに移り住んだというAmahさん。Le Marché Noir以外にも、アートディレクターとしてスタイルブック制作などのプロジェクトに携わっています。フランス最大規模のデパートGaleries Lafayette(ギャラリー・ラファイエット)では今月から、“Africa Now”と題したアフリカンモードをコンセプトに商品を展開中。これを取り仕切ったのも、Amahさんなのです。

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2017-18年秋冬コレクションでは“多文化主義”を掲げて、多国の民族衣装の要素をミックスさせたコレクションを多く目にしました。デザイナーの多くは「ファッションには国境も壁もない」と口を揃えていたのが印象的です。昨年のブリティッシュ・ファッション・アワードのヤング部門でグランプリに輝いたのも、アフリカ系イギリス人のWales Bonner(ウォールス・ボナー)。今年アカデミー賞作品賞を受賞したのも、アフリカ系アメリカ人をテーマにした映画『ムーンライト』でした。

 

パリでひしひしと感じるアフリカブームは緒に就いたばかりで、まだまだ続きそうな予感。ニューヨークなどの大都市のファッションやショップが数多く混在する東京都心ですが、次なるブームに“アフリカ”が名乗りをあげるかも!?パリでのアフリカ文化の発展も、引き続き注目したいと思います。

 

Le Marché Noir
18 rue Perree, 75003 Paris
営業時間:8時〜22時
http://www.marchenoir.co/

 

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