Paris 〜マダムのおしゃべり
ファッションの都なのに、フランス人にとって身なりにお金をかけるのはこの上なく「ダサい」ことだそう。
女性もスッピンが一番。じゃあどんなことがカッコイイのか?
それは「知性があること」らしい。
ほー!オシャレはしたいけど、知性が一番評価される価値観は、いいね。
そういえば、サンローランのショルダーバッグを持って蚤の市に行ったら、お店のマダムが
「サンローラン?いくらしたの?まあ、高いわね~!サンローランやCHANELやディオールなんて高くなりすぎて、中国人しか買えないのよ!」
みたいなことを言っていた。
皮肉屋でおしゃべりなフランス人に、ちょっと馬鹿にされたんだろうな。
印象的だったのは、ルーブル美術館近くのセーヌ川沿いで静かに自分の小さな絵を売っていた初老の女性との出会い。
パリの有名なお店や風景がとても可愛く描かれていてつい立ち止まってしまった。
女性はとても簡素な出で立ちで物静かな雰囲気だったので、絵が無ければ彼女には気が付かなかったかもしれない。
お土産に絵を一つ選ぶと
「どこから来たの?」
「日本から」
「そう、昔日本に言ったことがあるわ」
「どこに行ったの?}
「日本全国」
「全国?すごい」
「クラシックバレエダンサーだったの、それで世界中いろいろなところにいったわ」
「素敵!昔バレエダンサーで今は画家なんだ。あなたはアーティストだね。」
「ふふふ、メルシー」
静かな笑顔と美しく深いしわ、いたずらっぽい瞳がキラリ。
あんな女性になりたいな、と思った。